
熱中症は「脳」がダメージを受けた症状です。そして気付かぬうちに後遺症を残します。
熱中症になりづらい身体をつくる3つのポイント!脳細胞や神経細胞がダメージを受けたときの対応を解説します。
熱中症の症状!こうなったら要注意!
毎年、熱中症で多くの方が病院に搬送され、亡くなる方も少なくありません。初期症状を感じたら、すぐに対応することで重症化することが防げます。
- 初期症状:軽い頭痛、腹痛、めまい、体のほてりなど
- 中期症状:倦怠感、肌は青白い、体温は高め、頭痛、吐き気など
- 重度症状:高熱(39℃以上)、頭痛、吐き気、意識障害、錯乱、昏睡、全身けいれんなど
熱中症は前兆があります。下のような症状が現れたら、即対応してください。
- 口の中がネバネバする
- 脇の下が乾いている
- 皮膚を指でつまむと、なかなか戻らない
熱中症の後遺症が危険!
熱中症は、後遺症を残すことがあります。
脳内温度が38℃になると、脳の機能は著しく低下します。39℃になると脳機能の停止が始まります。40℃になると脳神経細胞の死滅が始まるのです。特に脳の中枢にある視床下部が機能低下すると、自律神経が乱れさまざまな症状を引き起こします。
すぐに、脳を冷やすなどの対応をすればいいのですが、もしま対応が遅れた場合、死滅した脳細胞は生き返りません。熱中症による症状が治まっても、脳機能の低下は継続されます。秋になって、夏の疲れが残っていると感じる場合、熱中症による脳の低下により起こる倦怠感かもしれません。回復には、症状の重さにもよりますが、数ヶ月から数年を要することもあります。
熱中症になったときの対応
もしも、熱中症と思われる症状がでた場合、すみやかに涼しい場所に移動して、身体を冷やしてください。そして水分の塩分をしっかりと摂ることです。冷やすポイントは、濡れたタオルを脇の下と首スジにあててください。太い動脈が通っているので、脳や体全体を冷やすことになります。
中期以上の症状で、嘔吐や下痢が続く場合は、脱水症状が進行しますので、すぐに病院で対応してください。
熱中症になりやすい人とは?
熱中症は、世代に関係なく起こります。しかし比較的高齢者に多いのには理由があります。
理由その1:感覚が鈍くなっている!
高齢者は若いときと比べて、脳機能が低下していることが多いため、暑さ寒さ、のどの渇きや初期症状に対して、鈍感になっています。つまり自律神経が鈍くなっていることで、暑いことに気づきにくいのです。また我慢するという習慣が、対応遅れにつながることも多いのです。
理由その2:保水力が低下している!
私たちは、汗をかくことで体温を下げます。汗が蒸発するときに体温を奪うからです。(気化熱)
汗の量は、その人の保水力に比例します。ミズミズしい人とカラカラの人、その違いはどこにあるのでしょうか?それは筋肉です。余分な水分は筋肉によって蓄えられます。そのため筋肉量が落ちると、保水力が低下して、汗が尽きやすくなるのです。汗がでなくなると、体温は急上昇をはじめ、短時間で熱中症を発症してしまうのです。
そのため、筋肉量の少ない高齢者、子供、女性に多く熱中症が現れるのです。
熱中症対策3つのポイント!
熱中症の原因と、なりやすい人が分かれば、対策を簡単にすることができます。
①感知システムの導入
感覚が鈍くなり、温度上昇が分からないのであれば、その変化のチェックを機械にやってもらう方法があります。
温度や湿度の変化を、表示やアラームで知らせる「熱中症計」というものがあります。安いものでは千円代からあります。エアコンでも、ある温度になると自動的にスイッチが入るものもありますので、鈍った感覚に頼るのではなく、機械的に行ったほうが確実に予防できます。
また筋肉量の少ない方は、保水力も少ないため、こまめに水分補給をする必要があります。30分ごとや1時間ごとに水分を補給する仕組みを考えてみてはいかがですか?
②筋肉量の維持
外が暑いことで、外出回数が減ると、筋肉量の低下につながります。室内でできる筋肉トレーニングに努めてください。1回1~2分を1日に数回程度でも、充分に効果があります。
例)かかと上げ、階段の1段目を登ったり降りたり、何かにつかまり片足立ち、など
筋肉は下半身が多いため、同じ時間運動をしても、下半身のほうが多くつくのです。1セット10~20回、1日3~4回ほどで充分です。くれぐれも涼しいところで行ってください。
③血液ドロドロを解消する!
水分を補給するのは、汗をかくためです。しかし脱水症状でなった血液ドロドロは、水分をとってもサラサラにはありません。つまり脳梗塞や心筋梗塞などのリスクは残ったままなのです。水分をとることで、血液は水っぽくなるのですが、集合してかたまった赤血球はそのままです。この赤血球をバラバラにするのは、水分をとってもできないのです。
それを解決するのが、リン脂質といわれる「レシチン」です。赤血球をくっつけているLDLコレステロールや中性脂肪を分解・排出することで、赤血球をバラバラの状態にすることができるのです。一度かたまった血液は、水分をとっただけでは、血液はサラサラにはできないのです。
またレシチンは、脳神経細胞の構成成分でもありますので、ダメージを受けた脳細胞や神経細胞の修復にも貢献します。